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運動と栄養を、仕組みで理解する。|小山市パーソナルジムPUTTERS 松本大樹
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リフォーマー(マシンピラティス)は必要?マシンではできるのに家で出てこない理由|元研究者が解説

2026 8/09
トレーニング
2026年8月9日

「ピラティスに通っているんですけど、どこに効いているのか分からなくて」。——これ、お客さんからよく聞く言葉です。先日も「ピラティスはやりますか?」と聞かれました。うちにはピラティス専用のマシン(リフォーマー)を置いていません。用意できなかったのではなく、置かないことを選んでいます。先に言っておくと、これはピラティスを否定する記事ではありません。リフォーマーは、かなり優れた道具です。それでも置かない理由が1つだけあって、そこが「マシンではできるのに、家では出てこない」という現象と、まっすぐ繋がっています。元々は大学で骨折予防(脊椎の応力解析)を研究していた立場から、体を「イメージ」ではなく仕組みで解説します。

【この記事で分かること】
・リフォーマーが「優れた道具」である理由
・それでも置かない、たった1つの理由
・マシンではできるのに、家で出てこないのはなぜか
・道具を「良い / 悪い」で裁かないための2つの軸
・スミスマシンは使うのに矛盾しないのか

目次

リフォーマーは、優れた道具です

まずここを落としません。落とすと、この先の話が全部ただの悪口になるので。

リフォーマーは、台の上を滑るキャリッジ(座面)とバネ(スプリング)でできています。バネが引いてくれたり、支えてくれたりするので、自分の力では通れない「正しい動きの軌道」を、体に一度通してあげられる。これがすごいところです。

人は、やったことのない動きは分かりません。「お腹で支える」と言われても、支えたことがなければ、どこに力が入るのが正解なのか一生分からない。リフォーマーは、その「正解の感じ」を先に体験させてくれる道具です。入口としては、本当によくできています。

ピラティス自体はどう思っていますか?

良いと思っています。通っていて、体が変わっている実感があるなら、続けてください。この記事は「やめろ」という話では一切ありません。読んでほしいのは、通っているのに「どこに効いているか分からない」人だけです。

置かない理由は1つ。「その助けは、最後まで消えない」

ここが、この記事でいちばん言いたいことです。

バネは、1回目も、100回目も、同じだけ助けてくれます。優しさでもあるんですが、裏を返すと——あなたが上手くなっても、バネは引っ込んでくれない。

マシンの上で完璧にできるようになる。でも、家で同じ動きをやろうとすると出てこない。職場で重い荷物を持つ時にも出てこない。——これは、あなたのせいではありません。覚えたのが「マシンの上での動き」だったというだけです。

なぜ、場所が変わるとできなくなるんですか?

脳が動きを覚えるとき、「動き」だけを単体で覚えているわけではないからです。どんな支えがあって、どんな床で、どこに力を預けられる状況だったか——条件ごと覚えています。

だから条件が変わると、出てこない。バネが5割を持ってくれている状態で覚えた動きは、「バネが5割持ってくれる世界」でだけ再生されるということです。日常には、バネがありません。

リフォーマーの上と床では条件が違うため同じ動きが出てこないことを示す比較図
バネのある世界で覚えた動きは、バネのない日常では再生されません。

これはEMSで腹筋は割れる?の記事で書いた話と、実は同じ形をしています。あちらは「筋肉は動いているのに、自分で動かしていないから残らない」。こちらは「自分で動いてはいるけれど、助けごと覚えているから、助けのない場所で出てこない」。機械が肩代わりした分だけ、外に持ち出せなくなるという一点で繋がっています。

道具を裁く軸は、2つあります

「じゃあ機械は全部ダメなのか」と言われると、違います。ここを1つの軸で語るから、話がおかしくなる。2段階で見ます。

軸① 自分で動いているか?
動かされているだけなら、脳は何も覚えません。EMS・振動系がここで落ちます(EMSの記事)。リフォーマーは、ここは通ります。自分で動いているので、学習は起きています。

軸② その助けは、いつか消えるか?
消える助けなら、最後に残るのは自分の力。消えない助けだと、道具ごと持ち帰らないと再現できない。リフォーマーが引っかかるのは、こちらだけです。

道具を判定する2つの軸(自分で動くか・助けは消えるか)とEMS・リフォーマーの位置を示す図
「良い道具・悪い道具」ではなく、2本の軸で置き場所が決まります。

リフォーマーとEMSは、同じ棚に置くべきではありません。格が違います。リフォーマーは①を通っている時点で、道具としてかなり上等です。うちが置かないのは、②だけの理由。「悪い道具だから」ではなく、「うちの仕事と役割がぶつかるから」です。

スミスマシンは使うのに、矛盾しませんか?

鋭い質問ですが、矛盾しません。軌道が固定されるのは同じでも、目的が逆だからです。

スミスマシンは、軌道を固定してもっと重いものを扱うための道具。力を強く発揮する側の話です。リフォーマーは、軌道を固定して力みを抜かせるための道具。静かに支える側の話です。後者は、最終的に「道具なしで静かに支えられること」がゴールなので、道具が残ると目的地に着けない。前者は道具が残っても構いません(そもそも高重量を扱う場が目的地なので)。

うちは、同じことを床の上でやります

やっていることは、実はそんなに違いません。

たとえば骨盤の前傾・後傾のコントロール。ピラティスでも最初の方に習う、基礎中の基礎です。うちもやります。ただ道具ではなく、声掛けで作ります。

ここが手間のかかるところで、同じ種目でも、人によって言い方を全部変えます。骨格も、長年の癖も違うからです。同じ「お尻を締めて」でも、その人が今どこで支えてしまっているかによって、効く言葉が違う。反り腰の人に効く言葉と、丸まっている人に効く言葉は別物です(反り腰の記事)。

正直に言うと、リフォーマー使いたいです

ここからは本音です

一人ひとり声掛けを変えるのは、普通に大変です。セッションが終わるたびに「次のお客さんの癖はあれで……」と、10分の間で考え直しています。

ぶっちゃけると、リフォーマーがあれば、何も考えずに指導できるので楽です。

だから従業員が多い場所には、いいかもしれません。毎回違うトレーナーが担当するなら、お客さんの癖まで把握するのは無理です。そういう現場では、道具が軌道を保証してくれる方が、たぶん安全で、質も揃います。これは皮肉ではなく、本当にそう思っています。

それでも置かないのは、成長の速さが違うからです。声を掛けて、ちゃんと癖を把握して、床の上で「今、骨盤は前傾か後傾か」をお客さんと一緒に考えながらやる。——こっちの方が、伸びるんですよ。

ついでに、使わないデメリットも書いておきます。僕がめっちゃ疲れます(笑)。それだけです。お客さん側のデメリットは、1つもありません。

それに、楽して稼ぐというのが、僕のポリシーに反します。

楽をして、お客さんの成長を遅らせてまで稼ぎたいとは思いません。

とはいえ、世の中的には「ピラティスのマシンがあるから、あっちの方がいいジム」という風潮があるのも知っています。設備が多い方が良く見えるのは、まあ自然なことだと思います。——僕は、そんなのはどうでもいいですけど。

床でやると、どうなりますか?

最初は、うまくできません。できなくて当然です。バネが持ってくれていた分を、自分で持つことになるので。

でも、その「できない」が見えている状態が、正しいスタート地点です。できない場所が分かっているから、そこを1つずつ埋めていける。逆に言うと、道具が上手に隠してくれている間は、どこができていないのかが、本人にも指導者にも見えません。

「どこに効いているか分からない」の正体は、たぶんこれです。効いていないのではなく、助けが多すぎて、どこが自分の力なのか分からない。

【今日の結論】
・リフォーマーは優れた道具(正しい軌道を、体に一度通せる)
・ただしその助けは、上手くなっても消えない
・脳は動きを条件ごと覚える=バネのある世界で覚えた動きは、バネのない日常で出てこない
・道具を裁く軸は2つ=①自分で動くか ②助けは消えるか。EMSは①で落ち、リフォーマーは②だけ
・床でやると最初はできない。その「できない」が見えている状態が正しい
・ピラティスをやめる必要はありません。効いている実感があるなら続けてOK

身体は「イメージ」ではなく、仕組みで考える

道具を「良い / 悪い」で覚えると、次に新しい機械が出てきた時にまた迷います。でも「①自分で動くか ②助けは消えるか」の2本さえ持っていれば、まだ世に出ていない道具でも、自分で判定できます。これが「運動的IQ」です。あわせて、EMSで腹筋は割れる?と、「体が硬い」と言われたらも読むと、道具と体の関係が一周します。栃木県小山市のパーソナルジム PUTTERS では、機械や気合いに頼らず「自分で動いて、日常で使える体」を作る指導をしています。小山市で、ピラティスと迷っている方は、こちらにも書きました。体験・ご相談はお気軽に。
▼ LINEで相談:https://lin.ee/xbGW2yf

※本記事は、特定のスタジオ・流派・指導者を批判する意図はありません。運動の効果には個人差があります。痛みのある方・治療中の方は、必ず主治医の指示に従ってください。

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この記事を書いた人

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松本大樹(運動的IQ)|栃木県小山市のパーソナルジムPUTTERS代表。元ジャニーズ事務所の専属トレーナー。芝浦工業大学・生体機能工学出身。運動と栄養を「仕組み」から解説しています。

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