「股関節の可動域が悪い」「体が硬い」と言われて、一生懸命ストレッチしている人へ。じつは、その硬さ、伸ばして直すものじゃないかもしれません。むしろ、伸ばすほど悪くなるケースもあります。元々は大学で骨折予防(脊椎の応力解析)を研究していた立場から、体を「筋肉」ではなく「力の流れ」で正直に解説します。名前は覚えなくて大丈夫です。
「可動域が悪い」と言われて、毎日ストレッチしてるんですが、良くならなくて…
それ、伸ばす問題じゃなく“支える力”の問題かもしれません。痛みがあるなら、伸ばすと逆効果のことも。
・「可動域が悪い」「体が硬い」と言われた
・言われた通りストレッチしても良くならない
・ゴルフなどでスイングの振り切りが狭い
・お尻から脚にかけて、坐骨神経痛がある
この記事を読む方は、こんな事を気にしているのではないでしょうか。先に結論を言うと、「可動域が悪い」という言葉は便利ですが、“場所”と”種類”という大事なことを2つ飛ばしています。ここが分かると、間違ったストレッチで遠回りするのを防げます。
【この記事で分かる事】
・「可動域が悪い」が飛ばしている2つのこと
・”硬い=伸ばす”が逆効果になる理由
・坐骨神経痛の人が「伸ばす」で気をつけること
「可動域が悪い」は、2つのことを飛ばしている
「可動域が悪い」って、便利な言葉です。でも、ここで大事なことが2つ抜けています。
1つ目は”場所”。たとえばゴルフでスイングの振り切りが狭い時、犯人は股関節とは限りません。体をひねる動きは、じつは胸椎(背骨の胸の部分)が主役だったりします。場所を取り違えると、正しい所を鍛えられません。
2つ目は”種類”。可動域=どれだけ”動く”か、です。でも本当に足りないのは、必要な時に“止める・支える”力のことがある。動く量と、支える力は、別物です。
「硬い」の正体は、伸ばせば直る?
いつも、とは限りません。「硬い」の中には、弱くて支えられないから、体がわざと固めて守っている、というものがあります。この場合、伸ばして緩めても、支える力がないのでまたすぐ固まります。伸ばして緩めるのではなく、支えられて、はじめて緩む。この”動かす+安定させる”の詳しい仕組みは、胸椎と横腹の記事にまとめています。
“伸ばす”に飛びつくと、逆効果になることがある
支える力が抜けている所を、さらにストレッチで緩めると、どうなるか。土台がないのに緩めるので、もっと不安定になります。良くしようとして、逆をやってしまう。とくに「硬い=とりあえず伸ばす」で片付けると、この落とし穴にはまります。
坐骨神経痛がある人は、「伸ばす」に特に注意
ここは声を大きく言います。坐骨神経は、お尻の奥の筋肉(梨状筋)のすぐ隣を通っています。だから「お尻が硬い=グイッと伸ばそう」とやると、過敏になった神経を引っ張って、悪化させることがあります。良かれと思ったストレッチが、痛みを強めることがある。
じゃあ、何をすればいい?
お尻の奥が原因のタイプなら、伸ばすより“支える力”を入れ直す方が、突っ張りが要らなくなって、結果的にラクになります。ただし——自己判断はしないでください。坐骨神経痛は腰から来ることも多く、原因の場所によって、やるべきことがまったく変わります。しびれが強い/足先まで走る/夜も痛む/力が入らない、これは迷わず病院へ。
そもそも、”可動域”だけで体は判断できない
体の関節の動きは、ぜんぶで44個あります(背骨・肩・肘・手首・股・膝・足…)。僕がお客さんを見る時は、この44個を一通り見て、「どこが」「どの種類で」つまずいているかを分けます。「可動域が悪い」の一言で止めません。ラベルを1個貼るのと、44個を分けて読むのは、別の作業だからです。
【今日の結論】
・「可動域が悪い/硬い」は、”場所”と”種類”を飛ばした雑なラベル
・すぐ伸ばさない=支える力の問題かも/痛みがあれば伸ばすは逆効果
・一言のラベルで、自分の体を決めない
「動く量」を増やすより先に、「胸椎をちゃんと動かして、支えながら使う」方が近道なことが多いです。胸椎の可動域を上げたい方は、実際の動きを実技つきで動画にまとめました。自分の体で真似できる形にしてあるので、こちらを見てください。
身体は「筋肉」ではなく、物理現象として読み解く
これが「運動的IQ」です。どの動画・記事から見ても学べる”運動の教科書”を、数年かけて作っています。栃木県小山市のパーソナルジム PUTTERS では、機械や気合いに頼らず「自分で動いて、日常で使える体」を作る指導をしています。体験・ご相談はお気軽に。
▼ LINEで相談:https://lin.ee/xbGW2yf
※坐骨神経痛や痛みの原因は人によって異なります。しびれ・脱力・強い痛みがある方、通院中の方は、自己判断で伸ばす・鍛える前に、医師にご相談ください。この記事は特定の診断・治療を保証するものではありません。

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