セッション中に、実際にお客さんから一番よく言われるセリフです。
腹筋やってるのに、下っ腹だけ落ちないんです。
回数の問題じゃないです。骨盤が動いていないだけです。腹筋は、自分では動かせない筋肉なので。
【この記事で分かること】
・なぜ下っ腹だけ落ちにくいのか
・腹筋のトレーニングで、実際に動いているのはどこか
・腹筋の「上」と「下」は何が違うのか
・クランチで下っ腹に効かせる手順
・やりがちなNG3つと、その直し方
「下っ腹だけ落ちない」は、腹筋の回数の問題ではない
腹筋のトレーニングというと、上を鍛える種目はこれ、下はこれ、というふうに種目で分ける人が多いと思います。でも、そもそも腹筋の上と下とは何なのか。なぜ同じお腹なのに、効き方が変わるのか。ここを気にしたことがある人は少ないはずです。
答えは、腹筋のコントロールで効き方が変わります。回数でも種目の数でもありません。
下っ腹だけ痩せないのはなぜ?
先に言っておくと、部分痩せの話ではありません。ここで言う「下っ腹に効かない」は、下っ腹の筋肉が使われていないという意味です。使えていない筋肉は形にも姿勢にも出ません。そして下っ腹が使われるかどうかは、骨盤が動いたかどうかで決まります。
腹筋のトレーニングで、腹筋は動いていない
試してみてください。背中をまっすぐにしたまま、お腹を動かします。へっこます、膨らます。これはできますよね。
お腹は縦に動かせないの?
では次に、お腹を縦方向に動かしてみてください。背中がまっすぐだと、動かないはずです。逆に、お辞儀をするように背中を丸めると、お腹が動きます。
これが腹筋です。腹筋のトレーニングは腹筋を動かしません。というより、動かせません。

腹筋は4人チームで動いている(骨盤・腹筋・肋骨・背骨)
腹筋は、4人チームで動いています。骨盤、腹筋、肋骨、背骨(胸椎)です。この4つは全部つながっています。

さきほど、背中がまっすぐだと腹筋を動かせませんでしたね。つまり縦方向に動かすには、背骨が動かないと腹筋は動きません。4人チームのうち縦に動けるのは、骨盤と背骨だけ。腹筋はこの二人に動かされているだけです。
腹筋の上と下は何が違う?
もっと分解すると、骨盤・腹筋の下・腹筋の上・肋骨・背骨、という順につながっています。骨盤と腹筋の下がつながっていて、腹筋の上と肋骨がつながっている。だから骨盤を動かせば下に効き、肋骨側を動かせば上に効きます。同じ種目でも、動かす側を変えれば効く場所が変わるということです。
クランチの正しいやり方
仰向けに寝て、足は上に上げて90度に曲げます。
まずは骨盤です。今、腰と床のあいだに隙間ができていると思います。これを埋めます。お尻を少し天井方向に上げる感じです。これが骨盤の固定=骨盤の後傾です。
次に背骨です。肩甲骨のあたりを丸める感じで起こします。骨盤が固定されていると、ほとんど上がりません。それが正解です。戻るときも力を抜かないでください。これを10回くらいです。
クランチで足は上げる?床につける?
基本は上げます。足を床につけると、かかとで床を押した反動で後傾が「できてしまう」ので、腹筋とお尻の仕事が抜けるからです。ただし後傾の感覚がまったく無い方は、最初だけ床につけて構いません。
1種目で、腹筋のどこにでも効かせられる
ここからが本題です。腹筋のトレーニングは、腹筋を鍛えるためにやっていません。下っ腹に効かせるためにやっています。
私の場合、右の下の方、左の下の方、下よりちょっと上、真ん中、上の方、というふうに、このクランチひとつでどこにでも効かせられます。骨盤と背骨のコントロールができれば、1種目で全部に効かせられます。

今日ひとつ捨ててほしい考え:種目を増やすこと。
クランチで全部に効かせられない人が種目を足しても、できないことが増えるだけです。他の種目をやる前に、これを極める方が近道です。
骨盤の前傾と後傾|下っ腹に効かせるのは後傾
骨盤には前傾と後傾があります。腹筋のトレーニングでは、ざっくり背中が浮いているのが前傾、背中が埋まっているのが後傾という認識で大丈夫です。腹筋で使うのは後傾で、これが下っ腹に効かせるやり方です。

骨盤の後傾を作るのは、腹筋・お尻・腿裏の3つです。このうち腹筋で後傾を作れるようになるのが、この種目の目標になります。
骨盤の後傾ができているか、どう確認する?
埋めた腰と床の隙間に、指を入れたままやってみてください。上げていく途中で指が緩んだら、そこが骨盤の固定が外れた瞬間です。最初はできているのに、途中で戻ってしまう人が多いです。
腹筋が効かないNG3つ
①反動を使う/②腰の隙間が空いたまま上げる/③首で上げる
反動をつけた腹筋はなぜダメ?
効いた感だけは出ます。でも上手くなるどころか癖がつきます。この癖がある方がうちに入会すると、修正に半年ほどかかります。腰の隙間が空いたまま起こすのは前傾のままなので後傾は上手になりませんし、首で上げるのは首を痛めて太くします。正解は肩甲骨付近の背骨で丸めることです。
できない人はお尻から|腹筋とお尻はペア
腰を埋めるのは難しいです。今は感覚がまったく無い人も多いと思いますが、みなさんできないところから始めて、できるようになった方をたくさん見てきました。
実際のトレーニングでは、お尻も腹筋も使って後傾を作ります。だからお尻をやれば腹筋が上手になり、腹筋をやればお尻が上手になります。得意な方から入って大丈夫です。お尻のやり方はヒップリフトの記事にまとめています。
まとめ

・腹筋は自分では動かせない。縦に動けるのは骨盤と背骨だけ
・骨盤と腹筋の下がつながり、腹筋の上と肋骨がつながっている
・腹筋による骨盤の後傾=下っ腹に効かせるやり方
・NGは、反動/腰の隙間が空いたまま/首で上げる
・できない人はお尻から。腹筋とお尻はペア
肋骨を動かせば腹筋の上に効かせられますが、肋骨は自分では動かせません。背骨に連動して動きます。その話は次の記事で解説します。
動画で見る(実技つき)
実技と図はこちらの動画で解説しています。

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