実際にお客さんから言われた話です。
松本さんのYouTube見ながらクラムシェル練習してたら、いつもより一番お尻に入ったんですよね。
スマホを持っていた腕のおかげです。上側の腕を使ったことで、脇の下の筋肉が働いて、骨盤が止まってくれたからです。
【この記事で分かること】
・横腹の4チーム(胸椎ー肋骨ー横腹ー骨盤)のどこで止まっているか
・骨盤をロックしているのは、お尻ではなく横腹だということ
・その横腹をロックしているのが前鋸筋だということ
・スマホを持つと入る理由(偶然ではなく仕組み)
・クラムシェルで腰が反る・お腹が前に出る人が多い理由
まず、横腹は「4人ひとチーム」で動いています
以前、横腹(腹斜筋)は単体では動かないという話を書きました。胸椎 ー 肋骨 ー 横腹 ー 骨盤。この4つでひとチームです。1つが崩れると、下も全部崩れます。
上から順に、背骨(胸椎)→ 肋骨 → 横腹 → 骨盤。今日の話は、このチームのどこで崩れているか、というだけの話です。主役は真ん中の2人、肋骨と横腹です。(一番上の胸椎については、上のリンクの記事に書いています)
骨盤をロックするのは、横腹です
横向きで骨盤が転がらないように支えているのは、上側の横腹です。肋骨と骨盤の間に立つ壁だと思ってください。骨盤は、横腹でロックします。
その横腹をロックするのが、前鋸筋です
壁は、上端が留まっていないと立ちません。横腹の上端は肋骨についているので、肋骨が動いてしまうと、横腹は壁として機能しません。
その肋骨を留めているのが、脇の下から脇腹にある前鋸筋です。チームで言えば、ちょうど肋骨のところにいます。
前鋸筋は、肩甲骨を肋骨に押さえつけている筋肉です。だから、腕を使うと必ず働きます。腕の力は肩甲骨を通って肋骨に伝わるので、腕を支えている間、肋骨も一緒に留まります。ここが今日の話の入口です。(仕組みの詳しい話はプランクが効かない本当の理由に書きました)
つまり、骨盤は横腹がロックし、その横腹は前鋸筋がロックしている。チームはここでつながります。

お尻に効かないのは、骨盤が止まっていないから
クラムシェルは、横向きに寝て膝を開く種目です。狙いは中臀筋(お尻の横)。
ここで見落とされがちなのが、中臀筋が働くには、骨盤が止まっている必要があるということです。骨盤が一緒に転がってしまうと、脚は開いても、お尻は仕事をしていません。開いた分だけ骨盤が逃げているので、お尻には何も起きない。
チームの上のほうが崩れていると、一番下のお尻まで話が届かない、ということです。
だから、スマホを持つと入るんです
横向きに寝てスマホを見るとき、上になっている側の手でスマホを持ちますよね。その腕を支えるために、上側の前鋸筋が働きます。
ポイントは、肘を床につけないことです。肘をついてしまうと、床がスマホを支えることになるので、腕は仕事をしません。自分の腕で持ち上げて支えている状態が条件です。
順番にすると、こうです。
上側の腕がスマホを支える
→ 前鋸筋が働く
→ 肋骨が留まる
→ 横腹が壁として立つ
→ 骨盤が止まる
→ 中臀筋が働ける
冒頭のお客さんは、これを狙ってやったわけではありません。ただ動画を見ながら練習していただけです。それでも結果が変わりました。お尻に効かないのは、やる気や回数の問題ではなく、こういう順番の問題です。
クラムシェルで、腰が反る人が多い
もう一つ、現場でよく見るエラーがあります。膝を開いたときに腰が反って、お腹が前に出てしまう形です。これは鏡を見なくても、お腹が前に出るので自分で気づけます。
なぜ骨盤を止められないのか
腰が反るというのは、骨盤が前に倒れているということです。止めるには、反対向きに引き戻す力が要ります。骨盤を丸める(後傾させる)筋肉は、腹筋・お尻・もも裏の3つ。ただしクラムシェルでは、そのうちお尻ともも裏が使えません。
理由は、上の脚が動いているからです。お尻ももも裏も、太ももの骨から骨盤に向かって付いています。骨盤を引っぱるには、太ももの骨が動かずに留まっていることが条件です。その太ももが動いていたら、引っぱる土台がありません。
ヒップリフトは両足が床に固定されているので、太ももを土台にして下から骨盤を丸められます。クラムシェルは脚そのものが動く種目なので、それができない。
【この記事の持ち帰り】
脚が固定されている種目は、下から骨盤を止められる。
脚が動いている種目は、上からしか止められない。
クラムシェルは後者です。だから、上から止める(横腹とお腹)しかありません。

腰が反ってしまう人は、お尻で止めようとしていることが多いです。でもこの種目では、お尻は止める側ではなく、動く側にいます。止めるのは上です。
今日から試せること
難しく考えなくて大丈夫です。横向きに寝て、上の手でスマホを持ったままクラムシェルをやってみてください。いつもと違う場所に入ったら、それが答え合わせです。
入らなかった人も、腕を上げて脇の下を触り、硬くなる場所を探すところから始めてください。そこが前鋸筋です。
動画で見る(クラムシェルのやり方)
クラムシェルそのもののやり方と、中臀筋の役割は動画で解説しています。
【この動画の、他の記事】
・歩いても腰痛が治らない本当の理由|犯人は「中臀筋」
身体は筋肉ではなく、物理現象として読み解く。これが「運動的IQ」です。身体の使い方を、どの動画から見ても学べる運動の教科書を、数年かけて作っています。
体験・お問い合わせはトレーニングジム PUTTERS(栃木県小山市)まで。

コメント
コメント一覧 (3件)
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