こんな質問をされました。
体重を落としたいんだけど、何すればいいですか?
私はこう答えました。
わかりません
というのも、体重も体温も食事のデータも筋肉痛の記録も、今まで1回も送ってもらったことがありませんでした。
こんなこともよく言われます。
「測り忘れちゃう」
「気がついたらご飯食べ終わってた」
「写真撮影をすると妻に怒られる」
めっちゃわかります。
でもアプリを作って半年が経つのですが、その間の記録が0回だと、本当に何も答えられないんです。
体重と体温だけでも、週1回とか送っていただければ、ある程度推測ができるんです。
補足ですが、過去のデータは全部データベースで保管してあります。
たとえば7月は全部記録した、8月は0回。
こんな感じでも、たとえば12月から減量スタートするとなった時に、7月の記録を持ってきてアドバイスができます。
だから、送っていただける点の数が多いほど、私が判断できる材料が増えるという仕組みです。
今日はその話です。
体温を測ってもらっている理由は、体が今「燃やしている」のか「節約している」のかを知りたいからです。
体重の数字だけでは、ここが分かりません。
平熱が36.5℃の人が、ある日36.2℃。
たった0.3℃ですが、これは体からのはっきりしたサインです。
【この記事で分かること】
・体温が下がる=何が起きているのか
・足りないものは何か(タンパク質だけで足りるのか)
・うちのジムが糖質制限ではなく脂質制限にしている理由
・女性が先に確かめておくべき2つ
体温は「カロリーを燃やした結果」
体温が低い=カロリーを使えていないってこと?
ほぼその読みで合っています。
体が使ったエネルギーは、最後はほとんどが熱になります。
筋肉を動かしても、内臓を動かしても、食べたものを消化しても、出てくるのは熱です。
つまり体温は、「今どれだけ燃やしているか」のメーターです。
平熱より低いということは、熱を作る量を体が絞っている、ということになります。
一番多い原因は「食べる量が足りない」
なぜ食べないと体温が下がるの?
入ってくるエネルギーが足りないと、体は省エネに切り替えます。
具体的には、代謝のアクセルになっている甲状腺ホルモン(T3)を下げて、熱を作る量を減らす。
入ってこないなら、出ていく方を絞る。体としては正しい判断です。
実際、アメリカで行われたカロリー制限の試験(CALERIE・2006年)では、食事を減らした人たちの深部体温とT3が下がっていました。
糖質を減らしていると体温は下がりやすい?
下がりやすいです。
T3は、糖質が少ない状態だと特に下がりやすいことが分かっています。
糖質制限を始めてから冷えるようになった、という人は、これで説明がつきます。
ダイエット中に体温が下がったら、それは体が「これ以上は燃やさないぞ」と言っているサインです。
ここでさらに食事を減らすと、燃やす量のほうも減っていくので、思ったほど落ちなくなります。
糖質は太るから悪じゃないの?
悪ではありません。
糖質は、体に「ちゃんと入ってきているから燃やしていいよ」と伝える役をしています。ここを抜くと、体は節約に入ります。
うちのジムの食事指導が、糖質制限ではなく脂質制限なのは、これが理由です。
減らすなら脂質です。
脂質は1gあたり9kcalと一番カロリーが高く、しかも食べても熱にほとんどなりません(下の表を見てください)。
糖質を残して脂質を削れば、体を節約モードに入れずに、全体のカロリーを落とせます。
タンパク質が効くのは本当
タンパク質を食べると体温は上がる?
上がります。食べたものを消化・吸収するときにも熱が出ます(食事誘発性熱産生)。
その熱の量が、栄養素によって大きく違います。
| 栄養素 | 摂ったカロリーのうち熱になる分 |
|---|---|
| タンパク質 | 20〜30% |
| 糖質 | 5〜10% |
| 脂質 | 0〜3% |
同じカロリーを食べるなら、タンパク質が一番熱になる。
さらに、熱を作る一番大きな場所は筋肉です。タンパク質はその筋肉を守る材料でもあるので、長い目で見ても効いてきます。
※食事誘発性熱産生と、よく噛むことの話はこちら → 体温が上がると代謝が上がる
じゃあ、タンパク質だけ増やせばいい?
ここが落とし穴です。
全体の量が足りないまま、ご飯をタンパク質に置き換えても、省エネモードは解けません。
体が見ているのは、まず「足りているかどうか」だからです。
正しくは、量を減らさずに、タンパク質を足す。
置き換えではなく、上乗せです。
女性は先にこの2つを確かめる
生理周期で体温は変わる?
変わります。
排卵の後(黄体期)は、体温が0.3〜0.5℃ほど上がります。
平熱の36.5℃が黄体期に測った値なら、36.2℃は低温期のふつうの値かもしれません。
0.3℃の差は、周期だけで出ます。 比べるなら、周期の同じ時期どうしで比べてください。
冷えるのは鉄不足のこともある?
あります。
鉄が足りないと甲状腺ホルモンがうまく働かず、熱を作りにくくなります(鉄欠乏の女性で、寒さの中で体温を保てなかったという研究があります)。
冷えを訴える女性で、一番見落とされやすいところです。
※鉄の話はこちら → その“だるい”、隠れ鉄不足かも
※健診でヘモグロビンまで下がっている(貧血と言われた)人は、サプリではなく病院へ。
測る条件をそろえる
体温はいつ測ればいい?
毎回、同じ条件で測ってください。
運動の後、お風呂の後、食後は上がります。
時間帯がずれるだけで0.3℃くらいは平気で動くので、条件がバラバラだと「下がった」のか「測り方が違った」のか分かりません。
まとめ
体温が平熱より低いときは、この順番で確かめます。
【チェックの順番】
1. 測る条件・生理周期はそろっているか
2. 食べる量(特に糖質)は足りているか
3. その上で、タンパク質を足す(置き換えない)
4. 女性で冷えが続くなら、鉄
糖質は悪ではありません。 減らすなら脂質です。
体温が下がったら、体は「燃やす量を絞っている」と言っています。
食べる量を減らして応えるのではなく、足りているかを先に見てください。
ちなみに男性なら、生理周期の線はありません。鉄が足りないことも、男性ではまれです。
つまり男性で体温が下がっていたら、まず疑うのは食べる量です。
「筋トレを始めたからタンパク質を増やして、その分ご飯を減らした」も、これに当たります。
※男性で鉄が足りないと言われた場合は、食事よりも、どこかで出血していないかを先に調べてもらってください。
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※本記事は公開されている研究報告と、筆者の指導経験をまとめたものです。体温の低下が続く・体調不良がある場合は医療機関にご相談ください。

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