「サラダ油でいいの?」「オリーブオイルは体にいいの?」「高い油って意味あるの?」——油売り場で毎回なんとなく選んでいる人へ。じつは僕は、トレーナーになる前味の素の油工場にいました。抽出も精製も現場で見てきた“元・油屋”の立場から、油の選び方を忖度なく正直に話します。
「油って結局どれ?」と迷っている人へ
サラダ油でいいの? オリーブオイルは体にいいの? 高い油って意味あるの?——油は毎日体に入るのに、選び方を教わる機会がありません。だからこそ、中身を知っている人間の話には価値があると思っています。
元・味の素の「油屋」です
僕はトレーナーになる前、味の素で油の工場にいました。抽出も精製も、現場で見てきた人間です。そこには油の試飲(官能)テストがあって、合格しないと働けない。僕はそれを通ってきたので、今でも口に入れれば大豆油か菜種油か種類を当てられます。油の味を舌で見分けられるトレーナーは、まずいません。その目線で話します。
安い油と高い油は、“作り方”が違う
値段の差は、ブランドじゃなく作り方です。油の取り出し方は大きく2つで、どっちになるかは原料の“油分の多さ”で決まります。
- A 圧搾(あっさく)=物理的にギュッと搾る。風味も栄養も残るが、量はとれない。菜種・オリーブのように油分が多い原料はこれ。「一番搾り」=最初に圧搾でとった一番きれいな油のこと。
- B 溶剤抽出=薬品(ヘキサン)で溶かし出し、後で加熱して薬品を飛ばす。たくさんとれて安い。大豆のように油分が少ない原料は搾ってもとれないので、こちらが基本(安価なサラダ油の代表)。
豆知識:スーパーの「サラダ油」、実はその多くが菜種油と大豆油のブレンド(調合)です。だから一口に“サラダ油”と言っても中身は様々で、キャノーラ(菜種)単体ならオメガ9寄り、大豆が多いとオメガ6寄り。中身で性格が変わります。
そのあと、透明で無臭にするための精製(脱ガム→脱酸→脱色→高温の脱臭)を通します。最後の脱臭は200℃を超える高温で、ここで微量ながらトランス脂肪酸ができることがあります(あくまで微量)。
ここで誤解しないでほしいのが——圧搾でとった油も、たいてい精製します。一番搾りでも、透明で無臭・酸化に強くするために精製を通すのが普通。だから「精製=悪」ではありません。精製油は高温調理に強い実用的な油で、揚げ物・炒め物はむしろこっちが向いています。逆に未精製の油の代表が、エクストラバージン/バージンのオリーブオイル。搾ったまま=風味もポリフェノールも残るから、生で活かす価値がある。
= 対立は「精製は悪」じゃなく、“未精製(生で活かす)か、精製(加熱・実用向き)か”の使い分け。
油は「用途」で分けるのが正解
高い油が偉いんじゃなく、使う場面で分けるのが正解です。オリーブならエクストラバージン > バージン。覚え方はシンプルで、エクストラバージンは「生」、バージンは「加熱」に向いています。
- 生・仕上げ:エクストラバージン。サラダや料理の最後にかけて風味と栄養を活かす
- 加熱・炒め:バージンや酸化に強い油。毎日の炒め物に最高級は要らない
- 遮光ビンを選ぶ(油の大敵は光と酸素=酸化)
- 開封したら冷暗所で早めに使い切る(酸化した油がいちばん体に良くない)
高い“だけ”の油に、お金は要らない
- 偽エキストラバージン:安いオリーブ油に混ぜ物をして“エキストラバージン”を名乗る物が実在する。高い金を出すなら、信頼できる物を。
- “ヘルシー”を謳うだけの高級油:イメージ先行で割高な物が多い。大事なのは謳い文句より、作り方(圧搾か)と鮮度。
逆に、安いサラダ油も、毎日の炒め物の実用なら十分アリ。全部を高い油にする必要はありません。要は使い分けです。
迷ったら、この組み合わせ
油は「用途で使い分け」。これだけ
生はエクストラバージン、加熱は酸化に強い油、オメガ3はサプリで。この使い分けだけで、もう油売り場で迷いません。栃木県小山市のパーソナルジムPUTTERSでは、こうした栄養の“中身”を仕組みから指導しています。YouTube「運動的IQ」でも解説中です。
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