「カルシウムを飲んでるから、骨は安心」——じつはこれが一番あぶない考え方です。骨に何を入れるかより、入れた物をどう定着させるか。大学で骨折予防を研究していた立場から、骨のサプリで本当に要る物だけを正直に整理します。
将来、寝たきりにはなりたくない人へ
親が骨折して急に弱った。健康診断で骨密度を指摘された。なんとなく「歳をとると骨がもろくなる」のが怖い——そういう30〜50代に向けた話です。
骨は、自覚症状が出た時にはもう手遅れに近い臓器です。痛くなってから鍛えるのではなく、折れない体を“貯金”しておくのが正解。そのために、サプリの使いどころだけ正直に話します。
骨は「カルシウムを入れる箱」じゃない
多くの人が、骨=カルシウムの貯金箱だと思っています。だから「カルシウムを飲めば強くなる」と考える。これが一番もったいない勘違いです。
カルシウムは、入れても素通りします。腸から吸収するのにビタミンDが要り、骨に定着させるのにビタミンKとマグネシウムが要る。この“係員”がいないと、飲んだカルシウムは骨に行かず、最悪血管の方に沈着して石灰化する——つまりカルシウム単体だけ増やすのは、むしろリスクになり得るんです。
もう一つ、機械工学の出身だから言えること。骨は「負荷」で強くなります(ウォルフの法則)。荷重がかかった所に骨は厚くなる。逆に、栄養だけ入れて体を動かさない骨は強くならない。サプリは“材料”、運動が“発注書”。発注がなければ材料は使われません。
ビタミンDを“主役”にする本当の理由
じつは、骨のためだけにビタミンD3を勧めているわけじゃありません。骨は入口で、効く範囲はもっと広い。
① 免疫の土台になる。 ビタミンDが不足している人ほど、風邪や感染症にかかりやすいことが分かっています。そしてトレーナーとして一番言いたいのはここ——風邪で一回寝込むと、筋肉はごっそり減る。発熱中の体は、筋肉を分解してエネルギーに回すからです。何ヶ月も鍛えた体が、たった数日の発熱で削られる。だから「風邪をひかない」こと自体が、最強の筋肉キープ術。ビタミンDはその土台です。
② 筋肉そのものにも関わる。 ビタミンDは筋肉の働きにも関係していて、足りない人は力が出にくく、転びやすい。せっかく鍛えても、Dが足りないと伸びしろを取りこぼします。
③ 「日に当たればいい」は半分ウソ。 「Dは日光で作れるからサプリは要らない」とよく言われます。でも日焼け止めを塗ると、ビタミンDの生成は大きく減ります。シミ対策で毎日しっかり塗る人ほど、日光からのDはほとんど期待できない。屋内仕事ならなおさら。だからこそ、サプリで足す価値があるんです。
サプリで“足す”べきは、ほぼビタミンDだけ
カルシウム・ビタミンKは、和食(小魚・大豆・葉物・納豆)で割と取れます。食事で届きにくくて、かつ不足が致命的なのがビタミンD。日光を浴びる時間が減った現代人はほぼ全員足りていません。だからサプリの主役はここ。選び方の基準はこれだけ。
- 「D3」を選ぶ(D2より体内で効く形)
- 1日 2,000〜5,000IU が目安(IU表記を確認)
- 油溶性なので食後に飲む(吸収が段違い)
- マグネシウムも一緒に。錠剤よりミネラル塩や食事から(Dを働かせる相棒)
“骨太”系の高いサプリに、お金は要らない
選ぶ人間の本音を言うと——骨に一番効く「サプリ」は、スクワットです。 サプリは、その下支え。
僕が選ぶなら、これ
結局いちばん効くのは、正しく荷重をかけること
サプリはあくまで下支え。骨に効く動かし方は、動画でも解説しています。「なんとなく」でなく、体の仕組みから運動を組み立てたい人は、YouTube「運動的IQ」ものぞいてみてください。
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