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股関節は柔らかくしなくていい|硬いと言われた人に必要なのは、支える筋肉

2026 10/12
トレーニング
2026年10月12日

「股関節が硬いから、柔らかくしたい」。ストレッチを続けているのに、なかなか開脚できるようにならない。

パーソナルトレーニングの現場で、よく聞く相談です。そして多くの方が「股関節は柔らかい方がいい」と考えています。

そこが違います。結論から言うと、股関節は動くための関節ではなく、支えるための関節です。だから欲しいのは、柔らかさではなく、ちゃんと支える筋肉です。

目次

「コーチに股関節が硬いと言われた」

お客さんから言われた言葉をそのまま書きます。

「ゴルフのコーチから股関節が硬いって言われたから、柔らかくしたい」

コーチは対策を何と言っていたかを聞くと、股関節のストレッチがいい、と言われたそうです。私はこれを聞いて、結構怒りました。

そのお客さんは、柔らかくはありません。でも、可動域は十分足りていたからです。

柔らかければ、可動域がいいんじゃないんですか?

そう思いますよね。でも、柔らかいことと、可動域がいいことは別です。実は私、現場で「股関節が柔らかいですね」とは言いません。柔らかいことを、いいことだと思っていないからです。

股関節は、もともと可動域が狭い関節です

同じように、ぐるぐる回せる関節に肩があります。比べてみます。

  • 脚を横に開くのは45度。肩は180度
  • 脚を後ろに引くのは15度。肩は50度
股関節が硬い|股関節と肩の可動域の比較図(横に開く45度と180度・後ろに引く15度と50度)
股関節は肩と比べると、可動域が狭い

全然違います。股関節は、最初から大きく動く作りになっていません。

なぜ、股関節は可動域が狭いんですか?

骨盤の受け皿が深くて、太ももの骨の頭をすっぽり包んでいるからです。体重を支える関節だからです。股関節が脱臼した、という話は肩よりずっと聞きませんよね。

股関節が硬い|骨盤の深い受け皿と肩の浅い受け皿の比較図
骨盤の受け皿が深い=体重を支えるための関節

つまり股関節は、動くためではなく、支えるための関節です。

開脚でベタッと開く人は、股関節が柔らかいんですか?

開脚で大きく開いて見えるのは、股関節だけではなく、骨盤や腰の動きが足されていることが多いです。

45度を超えて上がるのは、骨盤と腰が動いているから

立ったまま、脚を横に上げるトレーニングがあります。「この種目、全然上に上がりません」とよく言われます。

骨盤を固定させて横に上げると、45度くらいまでしか上がりません。これが股関節の本来の可動域です。45度以上に上げるには、骨盤の固定を外して、反動で上げるしかありません。

股関節が硬い|骨盤を固定すると脚は45度まで、反動で骨盤が動くと高く上がる図
骨盤を固定すると45度まで。それ以上は骨盤と腰が動いている

だから、可動域を超えて上がったのを「柔らかくていいですね」と褒めるのは間違いです。

もちろん、可動域を超えて体幹や腰も一緒に使うトレーニングもあります。ただ、基本は可動域の範囲内でトレーニングをすること。その基本がしっかりしている人が、次のステップとして応用に進まないと、怪我をする可能性があります。

柔らかさを基準にトレーニングすると、どうなりますか?

骨盤と腰が動きます。高く上がっていいね、という「柔らかい」を基準にすると、腰を痛めやすくなります。

しかも、トレーニングでついた癖は脳が覚えます。日常でも腰を使って動く生活になります。ここが腰痛の原因だったりします。

一つだけ補足すると、スポーツや日常で、股関節だけで動くことはありません。骨盤や腰を使っていいんです。トレーニングで、柔らかさを基準にしないでほしい、ということです。

コーチが見たものは、硬さではなかった

ゴルフのお客さんの話に戻ります。

おそらくコーチが見たのは、スイングで軸足で踏ん張って、股関節の筋肉で耐えなくてはいけない場面で、力を逃がして腰で動かしたところです。

それを外から見ると、股関節が硬いからそうしている、と見えます。でも内側から見ると、硬いのではなく、ちゃんと支える筋肉がない。

股関節が硬いと言われたら、ストレッチをすればいいですか?

ストレッチより、筋トレです。ストレッチで柔らかさを求めると、股関節の可動域を超えて、腰に逃がす練習になってしまうからです。

やり方|股関節で支える練習

  1. 何かに掴まって立つ
  2. 脚を横に上げる
  3. お尻の横あたりが辛ければ正解

家で10回1セットを、毎日やってみてください。

応用も一つだけ紹介します。何も掴まらずに、少しだけ体を横に倒して脚を横に上げると、さっきより高い所まで上がって見えます。でも、股関節の角度は変わっていません。これが、体幹や腰も一緒に使うトレーニングの一例です。

欲しいのは、柔らかさではなかった

股関節が硬いと言われた人、柔らかくしたいと思っている人をカウンセリングしてみると、本当に欲しいのは柔らかさではなく、ちゃんと支える筋肉だった、というケースが非常に多いです。

ストレッチより、股関節で支える練習をしてみてください。お尻の横を使う話は、前ももの張りは、揉んでも次の日に戻りますや、ワイドスクワットで開くのは、足首ではなく股関節でも解説しています。

動画で見る(実技つき)

肩と股関節の可動域の比較、骨盤の受け皿の図、45度の答え合わせ、支える練習の実技は動画で見られます。

身体は筋肉ではなく、物理現象として読み解く。これが「運動的IQ」です。身体の使い方を、どの動画から見ても学べる運動の教科書を、数年かけて作っています。

体験・お問い合わせはトレーニングジム PUTTERS(栃木県小山市)まで。

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この記事を書いた人

松本大樹のアバター 松本大樹

松本大樹(運動的IQ)|栃木県小山市のパーソナルジムPUTTERS代表。元ジャニーズ事務所の専属トレーナー。芝浦工業大学・生体機能工学出身。運動と栄養を「仕組み」から解説しています。2026年、運動の教科書『運動的IQ』第1弾を出版。

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